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中庭のしつらえ方

コートハウス形式の住宅とした場合、中庭の設え(しつらえ)方によって、その雰囲気や使い勝手が大きく異なってきます。


この記事では、中庭の仕上げ材や植栽による中庭の「設え(しつらえ)」=空間演出とその効果について、具体的な事例をもとに解説したいと思います。




まず、阿佐ヶ谷ライト・エコハウスではウッドデッキと中木1本という、シンプルな構成のしつらえとしました。


大きさは2.4m x 2.7mで、北側に開かれた中庭です。

2階のリビングから見下ろしたところ。

樹木は日影に比較的強いアオダモとしています。

隣地側の壁面は木板を透かし張りにしています。

目透かしにすることで、外壁の圧迫感を緩和して風が通るように工夫しています。

また、この張り方だと、居室のある左右の窓は、木板に遮られて隣家から見えないようになり、プライバシーが守られます。



総じてこの中庭は、なるだけシンプルにしつらえることで、空間の広さや自然光の明るさを強調し、開放感を感じられるようにすることを意図しています。









府中エコ・コートハウスの中庭では、デッキと複数の植栽ポットを組み合わせています。


この住宅の中庭は、4m x 4.5mのほぼ正方形の空間です。

住宅の中庭としては比較的大きなサイズなので、その大きさを活かすように植栽ポットをランダムに配置し、バラエティ豊かな大小の植栽を植えることで、目を愉しませるような中庭になっています。


1階からはリビングの延長として使用でき、2階からは四季の緑を眺めて楽しめる中庭としています。










奥沢エコ・コートハウスは、タイル敷きでシンプルに仕上げています。


中庭のサイズは、2.7m x 3.6mの大きさになります。



中庭にはシンク付の水栓や電源コンセントを複数設置し、メンテナンスやアウトドアツールの清掃、バーベキュー等のイベント時でも支障なく使用できるようにしています。

床がタイルなので、あまりジメジメせずにドライな空間になっています。


普段は、洗濯物干し場としても活用されているそうですが、コロナ禍で外出が制限されていた折には、お子さまの遊び場として重宝したそうです。


隣接する廊下部分の床も中庭と同じタイル仕上げとしています。

これは、中庭へとつながる玄関から廊下の部分がアウトドアスペースの延長として使用できるようにしたものです。

イベント時の土足での往来や、自転車やアウトドア用品等を搬出入させる場合に、屋内・屋外を気にすることなく使うことができます。



総じて、この中庭は、あえて何も入れないことでユーザビリティが拡がり、多様な使い方が出来るようにしています。






以上、3軒のコートハウスの中庭の事例をご紹介しました。


それぞれ、中庭のサイズや想定する使い方によって、しつらえ方の方向性が異なることがわかるかと思います。



コートハウスの要は、文字通り「中庭=コート」となりますが、どのような雰囲気を楽しみたいのか、どのように使いたいのか、十分に検討しながら「しつらえ方」をデザインする必要があります。






KHアーキテクツでは、様々なタイプのコートハウスを設計しています。



もしご興味ございましたら、お気軽にお問い合わせください。






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